…ちなみに。
今の「は?」は、素だった。
帝国騎士団?俺が?
スパイなのは確かだが、帝国騎士に間違われるとは。
俺のこの正義の仮面が、うっかり帝国騎士のように見えたのだろうが。
それは誤解だな。
「何のことだ?」
「大丈夫だ、しらばっくれなくても分かってるから」
「…」
何故かは知らないが。
俺は、スパイバレしているのだろうか。
いや、これは違う。
ここで狼狽えるのは、三流スパイのやることだ。
俺はスパイ検定特1級のカリスマスパイなので、そんなことでは動じない。
これは、単なる鎌掛けだ。
ヒイラは、俺の一挙一動を、つぶさに観察していた。
俺が狼狽えるのではないか、動揺するのではないかと。
大体、本当に俺がスパイだと知っているのなら。
俺が帝国騎士団のスパイなのか、と聞くはずがない。
俺は、まかり間違っても、帝国騎士団の人間ではないのだから。
まぁ、あのまま人生が狂わなければ、今頃帝国騎士になっていたかもしれないが。
そんな世界線はない。
「…どうやら俺は、酷い誤解をされているか…。あるいは、ちっとも信頼されていないらしいな」
「…」
だから俺は、少しも狼狽えなかった。
ただ淡々と、そして憮然として答えた。
「非常に遺憾…そして不快だ。俺は貴族のことはもとより、帝国騎士団にも、少ならからぬ憎しみを抱いている。それなのに、スパイを疑われるとは」
「…」
相変わらず、黙って俺の観察を続けるヒイラ。
「同志を疑っているのか。それとも、俺にそんな、つまらない鎌掛けをしなければならない理由でもあるのか?」
だから俺はあくまで、自分の忠誠心を疑われて、不機嫌になっている様を演じる。
実際、マフィアの身でありながら、帝国騎士と間違われるのは、さすがに不快だぞ。
ルレイア先輩だったら、発狂モノだったろうな。
すると。
「…さすが、俺の見込んだ通り…君は、頭の良い奴だな」
…あん?
今の「は?」は、素だった。
帝国騎士団?俺が?
スパイなのは確かだが、帝国騎士に間違われるとは。
俺のこの正義の仮面が、うっかり帝国騎士のように見えたのだろうが。
それは誤解だな。
「何のことだ?」
「大丈夫だ、しらばっくれなくても分かってるから」
「…」
何故かは知らないが。
俺は、スパイバレしているのだろうか。
いや、これは違う。
ここで狼狽えるのは、三流スパイのやることだ。
俺はスパイ検定特1級のカリスマスパイなので、そんなことでは動じない。
これは、単なる鎌掛けだ。
ヒイラは、俺の一挙一動を、つぶさに観察していた。
俺が狼狽えるのではないか、動揺するのではないかと。
大体、本当に俺がスパイだと知っているのなら。
俺が帝国騎士団のスパイなのか、と聞くはずがない。
俺は、まかり間違っても、帝国騎士団の人間ではないのだから。
まぁ、あのまま人生が狂わなければ、今頃帝国騎士になっていたかもしれないが。
そんな世界線はない。
「…どうやら俺は、酷い誤解をされているか…。あるいは、ちっとも信頼されていないらしいな」
「…」
だから俺は、少しも狼狽えなかった。
ただ淡々と、そして憮然として答えた。
「非常に遺憾…そして不快だ。俺は貴族のことはもとより、帝国騎士団にも、少ならからぬ憎しみを抱いている。それなのに、スパイを疑われるとは」
「…」
相変わらず、黙って俺の観察を続けるヒイラ。
「同志を疑っているのか。それとも、俺にそんな、つまらない鎌掛けをしなければならない理由でもあるのか?」
だから俺はあくまで、自分の忠誠心を疑われて、不機嫌になっている様を演じる。
実際、マフィアの身でありながら、帝国騎士と間違われるのは、さすがに不快だぞ。
ルレイア先輩だったら、発狂モノだったろうな。
すると。
「…さすが、俺の見込んだ通り…君は、頭の良い奴だな」
…あん?


