私も教えた方が良いのかと、バックから携帯を取り出すと

「あ、オレの番号を知らせた方が良いかと思っただけだから!いいよ。」
「え?」
「こんな交換まで頼んだら、ナンパみたいだし。ほんと、用があったら夜中でも早朝でもいつでも掛けてくれて構わないってことだけだから」
「はぁ…」
「じゃ、オレ次も授業だから」

 そういい捨て、三浦先輩は走り去ってしまった。

 ―そうなんだ。

 ―私も授業あるんだけど…な。


 ジリリリリリ―と、開始のベルがなった。
 
 受け取った紙を4つ折りにし、バックの内ポケットに入れた。
 いつでも掛けて、と言われたけど。多分用事なんて出来ないだろうし、来週のこの時間まで会うことはないだろうなと思った。

 でも、来週になるまでに先輩に意外な場所で会うことになるとは、この時は思いもしなかった。