───「おれが……おれがかならず、──ちゃんのこと、まもるから……」

その言葉が呪縛となって、頭から離れない。

何年も前の言葉で、誰に言ったかなんて覚えてないけど、大切だったということは伝わってくる。

今の俺は、奏音だけを愛するって決めてるのに──。

過去の記憶が、そんな俺の邪魔をする。


ふと時計を見ると6時を過ぎていた。

「……はやいとこ、準備するか」

そう言って、俺は重い体を起こしてリビングへと向かった。