私は猛ダッシュで廊下を走った。

途中、何回か看護師さんに注意されちゃったけど…ね?

「し、失礼します。」

私は内心ドキドキしながらドアを開ける。

「ん、えっと…」

顔が…だれ?この人って感じになってる…

「えっと、お、覚えてるかな?一ノ瀬千椛です。」

彼は驚いた声で

「ちなちゃん?」

私のことを確認するかのようにつぶやいた。

ちなちゃん、それはこの人しか呼ばない私の呼び方で。

「すずくん、でしょ?」

私も確認するように聞いてみる。