それから、翔ちゃんは常に私の側に居てくれた。

仕事は在宅ワークにして、私が不安定にならないようにしてくれた。

仕事にも、負担をかけてしまっている。

いけないことと分かっていても、どうしても離れられない。

自分勝手な私…。

パソコンで仕事を進める翔ちゃんは、時折、私を見て微笑んだり、頭を撫でに来たりしてくれて、その行動一つ一つが安心できる要素であった。

少しずつ落ち着きはじめた私の体。

「何か飲むか?」

「うん。持ってくるね。ブラックでいい?」

私が言うと頷き、目の前のパソコンに向き、仕事を始める。

私は、翔ちゃんの重荷だ。
いつかは離れなきゃと思いながらも、そう出来ないのは私のワガママ…。

部屋をでる時に翔ちゃんが目に入る。

仕事に集中していて、私の視線に気がつかない。

翔ちゃんは時折電話をしたり、メールのやり取りをしたりと忙しそうだ。

私はキッチンへ向かい、コーヒーと紅茶の準備をした。