「…鍋島。知ってることをすべて話せ。」
「清宮の若…私が居ながら、申し訳ありません。」
ボロボロの鍋島は、声をやっと出せる状態だった。
俺が頷くと、鍋島はゆっくりと話し始めた。
買い物を済ませた莉依たちは、組員が買ってきたものを食べて休んでいるときに、清水組が攻めてきた。
銃を出してきたが、うまくかわし清水組の組員を取り押さえたが、鍋島が油断して殴られたとのこと。
意識を飛ばしてしまい、気付いたら莉依の姿はなかったという。
「私のせいで…姫さんが…。」
「失態を犯したな。だが、今はお前を責めている場合ではない。」
龍也が言うには、澤田関連の組たちが動かないことを調べた上で動いてたのに…と。
どこかで情報を掴んだ?
だが、そこまでの情報力を持つものが澤田関連の組たちにはないはずだが…。
「慶一郎、莉依の位置情報をだせ。何故、あそこにいたことも知っていたのかも。」
「承知。」
慶一郎に莉依の居場所を調べさせる。
付近の防犯カメラ、莉依の位置情報全てを見る。
清水は、何のために莉依を連れ去ったのか…。
あの事件に清水組は全く関わっていないはず…。
一体何のために。
疑問ばかりが生まれ、解決に向かえず苛立ちが募る。