それも含めて調べていかないと、もしかしたら、とんでもないことを見逃してしまいそうな気がする。
莉依を失ってしまいそうな…。
残酷な結果がー…。
そうならにいためにも…。
「悪いな。分かるところまで深く調べてくれ。」
そう言うと、慶一郎は口を開き仰せのままにと一礼した。
ソファーの背もたれに倒れるように寄りかかり、目を手で抑える。
もう少しで終わる。
早くこの仕事を終わらせて、莉依のもとへ向かわなければ…。
さっきから嫌な予感がして気持ち悪ぃ。
ひと息つこうとしたその時、部屋の外から騒がしい声が聞こえてきた。
扉を強く開き、汗だくになりながら入ってきたのは、川城の若である龍也だった。
「騒がしいぞ龍也。何事だ。」
「すまない、翔樹…。姫ちゃんが、拐われた。」
龍也の言葉に反応するように、椅子から勢いよく立ち上がった。
「姫ちゃんが!?」
「どういうことだ?鍋島がいるはずだろ?」
「…澤田組の傘下であった清水組が動いたようで…。」
清水組だと!?
晶と礼と慶一郎を鍋島たちの元へ行かせる。
ある程度の把握をしながら、戻ってくるはずだろう。
「それで!?莉依をどこに!?」
「落ち着け!俺も今連絡が入って混乱してるんだ。澤田関連の組たちが動かないことを調べた上で動いてたんだが…。」
俺が怒りを露にし、拳に力を入れると、晶たちが部屋に入ってきた。
まさか、こちらの動きを詠んでいた?
どうやって…。
「若、今鍋島を連れてきました。他の組員は怪我の手当中です。」
そこには、礼の肩に担がれながら、ボロボロな姿の鍋島が悔しそうな表情をして入ってきた。