「ぐっ…はっ…。」

鈍い音とともに、なべさん吹き飛ばされた。

「なべさん!?」

震える声で何とかなべさんと呼ぶが、清水はなべさんの背中に自身の足をのせ、私に語りかける。

「お前も可哀想なもんだな。」

私は思わず身体を強張らせる。

何故なら、次に来る言葉が分かるから…。

「お前が居なければ、両親は死なずに済んだのにな。」

ほら…。

「いや…。」

その言葉は、私にダメージを簡単に与えた。

目の前が暗くなる。

「いや…。」

「ここにいるやつらも、お前のせいでこうなったんだ。」

や…めて…。

「恨むなら、自分を恨むんだな。人殺しの姫さん?」

私は何も聞きたくなくて、耳を塞ぎ、体を丸める。

自分に言い聞かせるように、やめてと言い続ける。

「莉依!」

「莉依さん!」

満里奈と椿が私の名を読んでくれるけれども、それも耳に入らないくらい、私は取り乱してしまった。

「も…私を…消して…。」

そう言って、私は意識を手放した。