「少し、海に行くか?」

翔ちゃんの一言で、行くことになった海。

暑かったから、海で遊べると聞いてテンションが高くなる私たち。

水着に着替え、かき氷やら焼きそばやらを買い、みんなで食べる。

いくつになっても、海は楽しめるところね。

満里奈なんて晶さんを振り回してるし、椿は礼ちゃんの子どもじみた興奮を綺麗にかわしてる。

笑いを堪えていると、翔ちゃんは眉を潜めながら私の隣に来た。

「莉依、上着着てろ。」

「へ?暑いから良いよー。」

そういう私に、大きなため息をつきながら、肩にバサッと上着をかける。

「日焼けしたら痛いぞ。」

そう言って私の頭を撫でた。
その行動に私の心は、激しく動き出す。

翔ちゃんには分からないだろうな。

しかも子ども扱いだし…。

「どうせ子どもですよーだ!」

舌を出しながら言った私にハッとする翔ちゃん。

何か言おうとしたが、「何でもねぇ。」と言って皆のところに戻っていっちゃった。

なんだ?
何か変なこと言ったかな?