「あん時は止めんのがキツかったな。俺でもやっとだっつーのに。」

晶さんまでもが!?
つられてる!?

「イヤー、あれは俺恐くて無理やわー。同じ族やったけど、敵にはまわしたなかったもん。」

「ははは、竜王と白龍、鬼龍総動員で止めにかかったもんな。」

昔の話に華が咲いてる。

この人たちは、恐ろしいと言われていた族の総長や幹部たちでした。

翔ちゃんが総長で、晶さん、礼ちゃん、慶ちゃんを幹部だった"鬼龍"。

龍也さんを総長だった"竜王"。

私の従兄弟が総長だった"白龍"。

昔は何百人といたから、各チーム総動員だったのは良い思い出なのだろうか、悪い思い出なのだろうか…。

「…。」

私は苦笑いしか出来ない。

何故ならあの頃、目の前での翔ちゃんの切れたところを見てしまっているから。

確かに、恐い。

歴代最強と言われてる翔ちゃんは、他の族からも恐れられる存在だった。

それと同時に、尊敬もされていたのだからすごい。

「でも、何で私のことになるとなの?」

私の言葉に、翔ちゃんを含めた7人は開いた口が塞がらない状態になっている。

慶ちゃんなんかは、すぐ切り替えて、
「なるほど、それほどまで…。」
と納得している。

それ以降、疑問を聞いても、皆はぐらかすだけで、私のモヤモヤは消えなかった。

くっそー。

またしても除け者だな。
このやろう…。