3人でトイレを済まし、会場に戻ろうとしたとき、何やらニタニタと笑っている奴がこちらを見ていた。
「ねーねー、君たち可愛いねー。」
「俺達と抜け出さねー?」
「いいことしよーぜ?」
気持ち悪いやつらが声をかけてきたよ。
しかも、こんなとこでナンパかよ…。
「私達興味ないんで。」
「はぁ、めんどくさい。椿、莉依、いこう。」
「時間の無駄ですよね。」
「いいじゃん、ケチケチすんなよー。」
そのまま通りすぎようとしたら、3人それぞれが私達の肩を掴み、そのまま外に出ようとした。
「やめて!離し…。」
離してくださいと言おうとしたとき、後ろから男の人の声がした。
「オメーら、ここが川城の敷地内なのわかってやってんのか?」
地響きのようなドスの効いた声。
だけど、聞いたことのある声にどこか安心する。
「龍也さん!」
「お兄様!」
「川城さん!」
私たち3人は、ホッと胸を撫で下ろした。
「あんだ、てめー?邪魔すんなよ。」
「俺達は川城組のもんだよ。」
「オメー、潰されるぞ?」
男たちは、龍也さんが若頭なの知らないのかしら?
てか、川城組の者だったの?
「テメーら、ここの若頭の顔を忘れたとは言わせねーぞ?俺は川城龍也だ。潰されでえのか?」
こ…怖い顔してるよー。
3人がヤバいと言いながら真っ青な顔をしていると、龍也さんおどけたように言葉を続けた。
「ま、俺はいいんだけどな。後ろにいる3人が鬼のような顔してるから、気を付けてね‼」
私達が振り返ると、翔ちゃん、晶さん、礼ちゃんがものすごい形相でこっちを見ていた。
こ…恐っ。
この世のものとは思えない…。
「清宮の若…その幹部まで…。」
3人はそそくさと逃げていった。
あの顔は、誰が見ても怖いし逃げ出すよねぇ。
私達女子は、苦笑いをした。