「わぁぁ!!大きなお屋敷!」

清宮組や姫野組にも負けないくらい大きいわぁ。

「いらっしゃいませ。こちらにご署名を。」

翔ちゃんはすらすらと書き、ホールへと向かった。

ここは、ホールがあるの!?
どーゆーこと!?

呆気にとられてると、隣から笑い声が聞こえてきた。

「顔を膨らましたかと思いきや、目を見開いたり…飽きないヤツだなぁ。」

「翔ちゃん!?」

飽きないって…。

恥ずかしさからなのか、翔ちゃんが笑ったからなのか、顔が物凄い早さで熱くなるのを感じた。


「よう、清宮の若。」

声の主の方へ振り向くと、金髪の目がきつい男の人が立っていた。

「龍ちゃ…あ、間違えた。龍也さん、お久しぶりです。」

「そんな畏まんなよ。りゅーちゃんでいいって!」

片手を胸元まであげ、手のひらをヒラヒラ振りながら言っていた。

「久しぶりだな、龍也。」

「相変わらず、姫ちゃんにべったり男だなぁ。」

「…。」

「機嫌悪くすんなよ。」

ははは…翔ちゃんの扱いがうまいなぁ。
上手く交わしてる感じ。

うん。
昔から変わらない。

「姫ちゃんも、綺麗になったなぁ。」

龍也さんが私の頭をポンポンと叩くと、翔ちゃんが龍也さんの手をはらった。

「触る必要ないだろ?」

ん?
なんか…不機嫌?

首をかしげる私をみて、龍也さんは苦笑い。

「こりゃ、翔樹苦労するな。」