校門に向かっていると、また人だかりに包まれる。

まぁ、多生なりとも遠慮しているのか、道は開いてくれているけど…。

「きゃー!」

「女帝よー!」

へ?
じょ、女帝!?

私が驚いていると、いつもの事というような表情で2人は歩いていた。

「なんだ。知らなかったの?」

「なぜだか私たちは、女帝と呼ばれているようですよ。」

「はぁ…。」

女帝って…。
どこでどうそう呼ぼうと思ったのか…。

高校生でなく、私たちは短大生と準理事長。
そんな騒ぐ歳でもないだろうに…。

そんなことを考えながら、黄色い声の中をくぐり門へ向かう。

すると、黒いかげが4つ…。

「げ。」

「莉依、どうしたの?」

「凄い声でしたね?」

翔ちゃんが怒ってる。

そう言うと2人は、あぁーと言いながら困った顔をした。

「機嫌が悪そう。厄介だなぁ…」

急いで翔ちゃんのところへかけていく。

「遅い…。5分遅刻だ。」

「翔ちゃん、ごめん…。」

うわぁ…。

不機嫌Maxだよ。

「あの、えっと、呼び出されてました。」

「誰に。」

「男の…。」

「あぁあ?」

翔ちゃんは、この世のものとは思えないくらいの恐ろしい表情をしていた。

ひいぃ…!
鬼が…!
鬼が…降臨した!