優杏side

ー…莉依の部屋を出た優杏は、廊下で1人たたずむ。

私は1つだけ、莉依ちゃんに嘘をついた…。

私の両親が鍵を書けていたデータにはもう1つの情報があった。

"川上組に中里の情報網と共に娘を渡す事が澤田に出したもう1つの条件。"

川上は、私を狙っている。

きっと、両親の情報網を扱うためにも、私が適役と思ったんだろう。

澤田の事が終わっても、それはただの序章にしか過ぎないのかもしれない…。

「莉依ちゃん…ごめんね…。」

私は小さく言葉を落とした。

莉依ちゃんにはこれ以上苦しんでほしくない。

正義感が強い莉依ちゃんは、この事を知れば、必ず動こうとするでしょう。

でも、これは私の案件。

姫野組を巻き込むわけにはいかないー…。


優杏side end