校門をくぐると、四方八方から黄色い歓声と共に、野太い声が…。

毎朝この声から始まる…。
うるさいねぇ。

「莉依!!おはよう!」

明るく、髪が肩までのセミロングの綺麗な女の人は、私の親友。

神子芝 満里奈 。

神子芝財閥のお嬢様。物事をはっきりと言わないと気が済まない性格で、私のお姉さん的存在。

「おはようございます!莉依さん、満里奈さん。」

柔らかな口調で言ってきた女の人。
その人は川城 椿。
これまた私の親友。

川城組の娘。

私の…お母さん的存在かなぁ。

「相変わらず、可愛いね、莉依は。」

ん?

「えぇ、周りからの人気が凄いですね。」

んん?

何を言ってるのかな?

「私、可愛くないし。むしろ二人が美人過ぎてまぶしい…。」

2人は凄く大きいため息をついた。

え?なんで?
そんなにため息をつくもの!?

「鈍感。」

「全く自分のことになると関心がないんですから。」

満里奈さん?椿さん?
さりげなくひどいこと言ってないか?

「ははっ…。」

笑う事しかできない。

こりゃ大変だ。

満里奈と椿は、静かにため息を吐きながら心で思った。