「おい礼、莉依から離れろ。」

「わぁあ!?」

私は礼ちゃんから離され、翔ちゃんに引き寄せられた。

椅子に座ってんのに危ないよ!!

今の私の顔は、茹でダコのように真っ赤になる。

「姫、顔真っ赤やでー?カワエエわぁ!」

礼ちゃんの言葉に、翔ちゃんはさらに目付きを鋭くさせる。

「おーおー。若は、姫のことになると怖いわぁ。」

礼ちゃんのベロを出して言う姿に、昔から変わらないなと微笑ましくなる。

そんなやり取りをしていると、どんどん清宮組のみんなが集まってきた。

しばらくして大広間の空気がピリッと変わる。

「おはよう。みんな。」

威圧感たっぷりのこの男の人は、清宮 樹。

清宮組の組長である。

「莉依ちゃん、おはよう!みんなもおはよう。」

おしとやかな女の人は、清宮優理。

清宮組の大姐。

樹さんと一緒に私のことを大切にしてくれている。
この2人からは両親と同じ、"無償の愛"を私に与えてくれた。

全員が口を揃えて挨拶をする。
そんな中、私は2人めがけて走っていた。

「樹さん!優理さん!」

思いっきり抱きつく。
2人は微笑みながら頭を優しく撫でてくれた。

姫、組長と大姐にすごいな…。

と思っていた組のみんなであった。