「わたしが最後まで残した宿題はね...選択、かな。人生の選択。今後自分がどう生きていきたいか、改めて考えてみた」

「で、どうなった?」

「どうもこうもないよ。今から決まるから」

「は?」


さつまくんの頭に疑問符が見える。

今まではずっとわたしだったから、たまには逆転を楽しんでもいいだろう。

今日はわたしのペースにはめよう。


「さつまくん」

「何?」


わたしは顔を上げた。

真っ直ぐさつまくんの瞳を見つめる。

その瞳には無数の星が宿っていた。

この星は全て可能性だと信じたい。

わたしはその可能性に手を伸ばす。


「わたし......わたしは、さつまくんのことが好きです。わたしと...わたしと付き...」


――......っ!


驚いて目を見開いた。

自分の身に何が起きたのか一瞬分からなかった。

全身に電流が走り、毒が回るような危険な感覚がある。

脈ははねあがり、

鼓動は早鐘を打ち、

微熱どころか高熱になり、

瞬きさえ忘れてしまうほど、

侵されていた。


何が起こったのか認識出来たのは、さつまくんの香りが離れた時だった。

わたしは、今...

キス、されてたんだ。

そう...

あれが、

キスだったんだ。