"澪、定演おつ~"

"澪のリクエスト通り、焼肉プリンス6人で予約したよ~"

"20時開始で現地集合ね"

"待ってるから、ちゃんと終わらせて、ちゃんと始めて来なよ!"


定期演奏会が終わった。

わたしの2年半に及ぶ修行のような日々が終わりを告げた。

最初から最後まで会場は大盛り上がりだった。

大会曲で幕を開け、Jポップメドレーやディズニーメドレー、ジャズなど多種多様な曲をトークコーナーを挟みながらも2時間演奏し続けた。


毎年やって来たはずなのに、どうして最後ってなると、こんなに楽しいんだろう。

こんなに切ないんだろう。


演奏中そんなことを思っていた。

ちらっと隣に視線を流すと、さつまくんの表情はいつもと何ら変わらなかった。

つまらない人だなぁなんて思っても、数秒後にはそういうところが良い、なんて思ってなんだか頬が緩んでた。

ずっと近くにいたのに、

その存在の大きさに気づきもしなかった。

2年半の月日が勿体なく感じる。

もっと早く...早く気づいていれば...。