夏目先生の後を追って、彼女のいる教室へ案内された。




「窓際の1番後ろの席の子です。」




夏目先生の目の向ける方へ、俺も目を向けた。




その少女は、窓の外を眺めていた。



その綺麗な横顔に、思わず見とれてしまう程だった。




正面から見ていないから、何とも言えないけど。




顔が整いすぎているほど、綺麗な顔立ちをしている。



それに、高校生とは思えないくらい表情は大人っぽい。




どこか…。日本人離れしているような…。




だけど、何だろう。



どこか寂しそうで、心ここに在らずっていう感じだった。



何かに、悩み苦しんでいるように思える。




きっと、本人は気付いていないんだろうけど心は限界を迎えているような気がした。



それに、身体が小さいような…



顔色も、あまり良くない。



「あの、あの子の身長と体重分かりますか?」




「身長は140cm。体重は、30kgあるかないかだったと思う。



たしか、過去に大きな病気をして成長が止まってしまったかもしれないと聞いたことがある。」




そうだったのか…。



「あの、心和さん。


そろそろ、休ませてあげないとまずいかと思います。


循環器独特の、顔面蒼白に唇がほんの少し青紫になってます。」




きっと、今相当苦しいはず。



「吉野さん、ちょっといいかな。」




夏目先生は、教室の後ろ扉を開き彼女に声をかけていた。




「白井先生、ちょっと吉野さん保健室で休ませますね。」



「あっ、はい。分かりました。」



「ちょっと!」



「座ってるのも、辛いだろうからってあの先生が。」



校長先生は、心和さんの肩を支えながら教室から連れ出してくれた。




それから、校長先生と心和さんと一緒に保健室へ向かった。