「…………ゴミ?」


クリリンの言葉に私はふくれる。


「ゴミィ!?これのどこがゴミに見えるんじゃ!
マフラーに決まってるでしょ!?」


「……どう見てもゴミだろ…」


クリリンは目を丸くして”マフラー”を凝視している。



「ゴミって言うなー!
私が丹念に編んだリリアンに対して失礼じゃー!!」



「いや、マフラーにしては短けぇし、細いし……ミミズ?」


私からリリアンを取り、つまんで見ながら言った。


「もう!!じゃあやらん!うちの子を返せ!」



私は手を出し、返してくれと要求する。


キィィ!クリリンめ!!

私が一生懸命編んだリリアンなのにーー!


せっかく私が………!!






「いや、貰っとく」


「…え?」


「俺にくれんだろ?」



ええ、まあ。そのつもりで来たんですけど……。


クリリンは「じゃあ貰っとく」と言ってポケットの中に仕舞った。


そして、「サンキュウ」と短く言ったあと、膨らんだ私のホッペを突付いて教室の中に戻って行った。




プシューと空気の抜けたホッペを手で押さえながら、私は呆然としていた。



笑った?


サンキュウって言ったとき、確かにクリリン笑ってたよね?



やったーー!!


クリリンが笑った!
クリリンが笑った!



久しぶりに見たクリリンの笑顔に嬉しくなった私は、スキップをして教室に戻った──…。