「コラー!吉本~!瀬戸内!20分の遅刻じゃー!
どこほっつき歩いてたんだ!」
旅館に帰ると、タモちゃんが仁王立ちして待ち構えていた。
「いや~、すみませ~ん!
ちょっと道に迷っちゃってぇ!!」
あれ?またいつものチャーリーに戻ってる…。
いつものチャラチャラチャーリーに…。
今までのチャーリーはどこ行ったの?
「遅れるなら連絡ぐらいしろーーー!」
「いや~、ほんとすんません!」
最後にチャーリーは私の耳元で「今日は楽しかった。ありがとね」と囁いて、自分の部屋に帰っていった。
なんか調子くるうなぁ…。
なんで、皆と私との態度が違うんだろー?
「おい」
階段の柱に、クリリンがもたれかかるように立っていた。
「おいっす!クリリン!
昨日はありがとねー。
お蔭で、恐い夢は見なかったよ~」
代わりに裸踊りのクリリンの夢を見たけどね…。
ぷぷぷ…。
「今日、裕次と回ったのか?」
夢に対しての返答はなく、クリリンが真剣な表情で聞いた。
自由行動のことかな?
「うん!楽しかったよ~!
色んなところに連れて行ってもらったんだ~!」
私の返答に対して、クリリンは「あっそ」とだけ言って、去って行った。
何?なんだったの~!?
何かクリリン機嫌が悪そうだったけど、何かあったのかな?
眉間に皺をよせて、難しそうな顔をしてたけど……
うーーん…。あの兄弟2人はさっぱり分からないわ!!
”秋の空と男心”ってやつかねぇ──……。