「あんな奴らの事なんて気にすることないからね?」
チャーリーは私の頭を撫でながら言った。
「ああ。別に気にしてないから大丈夫!
私の特技は、忘れることだから、きっと一時間後には忘れているね。確実に」
「そう。それなら良かった」
まだ私の頭を撫でているチャーリーは、目を細めて、優しそうな顔をしている。
ふと、私はある事を思い出す。
「あー!そういえば香織が教室で待ってるんだったー!
これから浅草の素晴らしさについて話し合わないとっ!」
浅草がいかに素晴らしいかを語り、香織に
「浅草って、そんなに素晴らしいところだったのね。今日は浅草で遊びましょう」
って言わせないと!!
「浅草?」
不思議そうな顔をしているチャーリー。
あっ!!
名案が浮かぶ。
「チャーリー!!煙吸いたくない?」
「は?」
「お煎餅も食べたいよね?」
「せんべー?」
「これから香織と浅草で遊びたいの!!
でも香織は、浅草行きに反対してるのね。
でも、チャーリーも浅草に行くって言ったら、香織も賛成してくれるはずだから、チャーリーも一緒に行こう!!」
「浅草に?」
「そうそう!いざ浅草へ!
そうだ!どうせならクリリンも誘おう!
4人で浅草に行ったら楽しいよ~!」
チャーリーはクスクス笑い、「じゃあ、行こうか浅草に」と賛成してくれた。
「よ~し、まずはクリリン捕獲作戦よーーー!!」
「ああ、涼介なら俺に任せて?どこにいるか分かるから。
だから、良子ちゃんは香織ちゃんを校門まで連れてきてよ」
チャーリーの案に納得して、クリリン捕獲作戦は任せることにした。
「じゃあ、あとで校門でねぇ~!!」
チャーリーと一時の別れを告げて、香織の待つ教室へと向かった。
「……涼介、隠れてないで出てこいよ」
そして、ここからは私の知らない、兄弟2人の会話が始まる──…。