「お前、黙って聞いてれば調子に乗りやがって!!」
黙っていれば…って、黙ってないじゃん!
さっきから、たくさん喋ってるじゃん!
「イタタタ!髪が抜ける!ハゲるハゲる!」
ハゲたらどうしよう。
朝、洗面所にお父さんと並んで、一緒にブラシで頭皮を叩くようになるのかな…。
お父さんみたいに、枕に抜け落ちた髪の毛の本数を数えて落ち込むのかな…。
そんなの嫌だーーー!!!
先輩の手を振り払おうとするが、まったくビクともしない。
「もうその辺にしろよ…」
突然、現れた声の主はチャーリーだった。
いつものチャーリーの声とは違った、低い声にビックリする。
チャーリーは私の髪の毛をひっぱる先輩の手を掴んで、先輩たちを睨みつけている。
ニコニコ笑った、いつものチャーリーとは違う、恐い顔で…。
クリリンも睨むと恐いけど、クリリンとはまた違った、
目に光をまったく宿していないような眼差し、何の感情も持ち合わせていないような冷淡な表情……。
こんなチャーリーの顔は初めて見る。
普段のチャーリーからは考えられない表情だった──…。