教室で香織と話していると、廊下側のドアからミュウミュウが通り過ぎるのが見えた。

「おーい!ミュウミュウ!」

1組は次の時間、体育なのだろう。
体操服を着ている。


ミュウミュウが私の声に振り向くと、2つ結わきにしてあるツヤツヤな髪がサラっと揺れた。

それから手をブンブン振って、嬉しそうに笑った。


私は手を振り返しながら、ため息を吐く。


「ハァァ。やっぱり可愛いねぇ。
 体操服の短パンから伸びる足も細くって、制服姿もいいけど、体操服も似合うよねぇ」


「アンタは変態のおっさんか」

私がポワーンってなってると、隣から香織のツッコミがはいった。


「香織!今話してたのが渡邊美雪ちゃん!
 ミュウミュウだよ!」


ちょうど今、香織にミュウミュウと友達になったことを話していたのだ。


「知ってるわよ。アンタ知らなかったの?
 有名じゃない」

「え、ミュウミュウって、有名だったの?」

「だって、この間の文化祭のミスコンで優勝してたもの」


知らなかった…。

多分、終了式に行われたことなのだろう。


そう。
私が、罰掃除をしていて参加してなかった終了式で。


「やっぱり可愛いもんねー」

ミスコンに選ばれるのも分かる!
だってすごく可愛いもん。


「あんなに可愛くて、いい子なのに友達が出来ないんだって。
 不思議だよねぇ」

「可愛いから、ひがまれてるんじゃない?」


うーん、皆きっと羨ましいんだね。

私は香織の答えに頷いた。


「でね、同じクラスだったから、クリリンにお願いしてきたんだ。
 ミュウミュウのこと宜しくねって」


きっとクリリンのことだから、そういうの関係なく仲良くしてくれるよね!

これで、ミュウミュウの男子が苦手なの直るといいなぁ…。


そんな事を心の中で祈っていると、香織が机をバンと叩いた。


「ハァ!?そんなこと言ったの!?」