「せっかく今日はメロン味だったのに…」


残念…。

ぜひメロン味を、クリリンにもご賞味いただこうかと思っていたのに…。


「クックックッ…良子ちゃん、マジ面白いわー」


「ありがとう。
代わりにチャーリーに、メロン味のキャンディーあげるよ」


はい。っと差し出すと、チャーリーは「サンキュウ」って貰ってくれた。




「それにしても…珍しいもん見たな…」


「珍しいもんて?」



そんなにメロン味のキャンディーが珍しかった?

コンビニで普通に売ってるけど…。



「涼介だよ。あいつが笑うとこ、久しぶりに見たな」


えっ、兄弟なのに?

双子なのに?



「それに、女の子とあんなに楽しそうに喋ってるのも初めて見た」



「楽しそうって……終始、怒っている印象しかなかったけど…」



「いや、アイツは人前で、あんなに感情むき出しで怒ったりする事はあまりないんだよ」



やっぱりクールボーイなんだ。


ふーん。私、珍しいもんみたんだー!


ちょっと感動!!



「良子ちゃんだったら、アイツを変えられるかもね。それに、俺もね…」


「えっ?なに?チャーリー?」


「いや、こっちの話。そろそろ授業が始まるよ。行こっか」




意味あり気に笑っていたけど、何なのさー!


ちょっと気になるじゃんかーー!!!




ま、いっか。



私はポケットからもう1つ、キャンディを取り出して、口の中に放り込んだ。