「吉本…これを見なさい…」
机の上に、数枚の紙がスッと差し出される。
見覚えのある用紙たち。
あまりの悲惨さに、思わず驚きの声をあげた。
「ウワォ!!これは酷い…」
「酷いなんてもんじゃない…。もはや、壊滅状態だ…」
「そうですね。これはもう、全壊してますね…」
「オレは悲しいやら、情けないやらで、見るに堪えないよ…」
「…心中お察し致します…」
ドンッ!!!
目の前に座る相手が、急に机の上を叩いたので、思わずビクッとなる。
机の上に乗っていた用紙が、その振動で数枚、床にパラパラ落ちた。
「吉本ーー!!お前は、本当に、分かっているのかー!!!」
「ヒィィ。先生、どうか気をお静め下さい!!」
「これを見て、心が静まるかぁ!!
なんだ、このテストは!!」
「えっーと、中間テストです」
先生は大きく溜息を吐く。
「そんな事を聞いてるんじゃない!
数学18点、現国31点、英語に至っては8点…
……まだ続けるか?」
「…いえ、結構です…」
ええ。先ほど拝見致しまして、充分に分かっておりますとも。
「全教科の先生方からクレームが来てるんだ。全教科だぞ?
担任である、俺にな…」
「クレームっすか…」