「ゆうきくん、私がするね」

私は笑顔でそう伝える事が出来た。
彼の前では、私をさらけ出したって平気なんだ。


ゆうきくんは、やっぱり、不思議な人。


「まじ!?助かるわ〜。
ありがとな・・・雫久ちゃん」


私が震える手で、不器用ながらに操作した。


携帯を持つ私の手に力が入る。
ゆうきくんは、私に重なっている手を
更に強く握りしめた。


私は、どんどん鼓動が早くなり
ドキドキしてるけど、
絶対に、これは、知られちゃいけない。



―――・・・これって。
友達になったんだよね。携帯が落ちないように。携帯を操作しやすいように・・・支えてくれる。優しな・・・ゆうきくん。



電話を登録し、LINEを交換した。


ゆうきくんの手が優しくそっと 私の手の甲に触れながら・・・ゆっくり・・・ゆっくり
少しづつ、ずらしながら離されていく。


私にはゆっくりのように感じただけかもしれないけれど・・・。

ゆうきくんの指の先が私の手の甲に・・・
優しく触れていく。


全神経が・・・手の甲に集中して緊張が走った。


彼の手が離れた瞬間


身体がゾクゾクっとなり


緊張から解放されたからか、



―――・・・フゥ・・・



声にもならないため息のようなのが声がもれた。


ゆうきくんは、私と触れていた肩から離れて、
少し距離を取り、私を
じーっと見ている。


私は、そんな、ゆうきくんを、
視界の端から捉えていた。


私は、少しボーッとしてしまって・・・


「・・・あっ。じゃ・・・後で」


そうゆうと、ゆうきくんは、バスケ部の皆の所へ走って向かった。