志穂の頭の中に一馬の顔が浮かんだ。
そして、この時志穂はこんなことを思った。
一馬が最近様子がおかしかったのは、もしかしたら一也が原因かも知れないと…。
一也が店に来ていることを志穂には話さなかったことも気になる。
二人の間に一体何があったのだろうか。
志穂は結局、一也の問いには答えることはなかった。
志穂と一也が話をしている姿を遠くから見ながら、
一馬は胸に熱くなるものを感じた。
そう…、嫉妬と言う熱く、激しいものが。
この日、話が終わると志穂は一人先に店を出た。
店を出た志穂は、雪が降る中を歩いていた。
志穂の足は二人がいつも過ごすマンションに向かっていた。
店からマンションまでは歩くと三十分以上もかかる中、
志穂は一也の話を思い出していた