ここは志穂も見事に演技をする。


二人が座り、飲み物を注文すると、一馬の姿が消えていた。


一馬の姿のないことに、志穂は少しホッとしていた。


飲み物が来ると、一也はすぐに話始めた。


「俺さ、最近悩んでることあって、一人でここに来て呑んでたんだ。
ここに来ればアニキが話し聞いてくれるし」


”一也が一人で店に来てたなんて、一馬は言わなかった…”


『そうだったんだ。
今日は私にその悩みを聞いてほしいってことね』


志穂がそう言うと、一也はうなづいた。


そして、一也は静かに話始める。


「俺、彼女と付き合って一年になるんだけど、別れようって思ってんだ
ずっと迷ってたんだけど、ようやく決心が着いた」