一也に誘われて来た場所は、なんと一馬の店だった。


「俺さ、最近アニキの店に一人で来てたんだ。
志穂はあのパーティー以来だよな」


そう言われてドキッとした志穂だったが。


『そうだね、こうゆうとこ苦手だから』


そして、二人は店の中に入って行く。
夜九時過ぎ、店の中には十人ほどの客が居て、
バックミュージックも静かだった。


『今日はずいぶん客居ないね。
あのパーティーの時とは大違い』


「あそこまで賑やかなのは週末くらいだろう。平日はいつもこんなもんだぞ」


二人はそんな話をしながらカウンターに向かう。


「よっ、一也。おっ、今日は志穂ちゃんも一緒なんだ」


一馬はそ知らぬ顔で話をする。


『一馬さん、お久しぶりです』