志穂はいつものごとく、ブツブツ言いながら部屋を出て行く。
外にはいつもの様に一也が待っていた。
「よっ、元気だったか」
一也はそう言って笑顔を見せる。
考えてみれば、一也と逢うのはあの喧嘩以来の久しぶりのことだった。
『この通り元気だよ。
今日はどうしたの?彼女に振られた』
なんて志穂はジョーダンを言う。
すると、一也は急に真剣な顔をした。
「今日は志穂に聞いてほしい話あって」
『一也が私に相談なんて珍しいね。
まっ、聞くだけならいいけど』
「志穂にアドバイスしてもらおうなんて思ってねーよ」
そんなにくたらしい事を言うのも、いつもの一也だった。
そして、一也が向かったのは…。