志穂にとって、この部屋で一馬と過ごす時間は幸せで、
もう何もいらないと思うほど。


幸せ過ぎて怖いとも思うほど…。


でも、どんな時も志穂の頭の中には一也への罪悪感がある。


この罪悪感は、一馬と一緒に居る限りは消えない…。


数日後…、何故、一馬の様子がおかしかったのかが分かることとなる。


そして、一也には異変が…。


仕事が終わり、家に居た志穂の元に一也から電話が入った。


「志穂呑みに行こうぜ」


いつもと変わらない一也の明るい声だった。


『だから…、私なんて誘わないで、彼女と行けばいいでしょう』


志穂の中の罪悪感が、一也を遠ざけようとしていた。


「下に居るから」


一也はそう言って電話を切った。