志穂の微笑みに、一馬は思わず志穂を抱きしめた。


『一馬…、どうしたの?』


「なんでもない。
志穂の笑顔が可愛くて、抱きしめたくなったんだ」


『そっか、それならいいけど。
一馬お腹空いてるんじゃない、ご飯用意するね』


志穂は一馬の様子が気になりながらも、そのことには触れなかった。


キッチンで食事の用意をしていると、一馬が後ろから抱きついて来た。


「なぁー、志穂。志穂はこの人だけは失いたくないって思う人っている」


『居るよ、やっぱり一馬かな』


「俺や家族以外で居ない?」


何故、一馬がこんなことを聞くのかは分からないが、
きっと何かあったに違いない。