白い雪が舞う寒い冬…。


少しずつ時間は流れ、季節は変わろうとしている。


そして、静かに忍び寄って来る…。


悲しみの足音が…。




「最近忙しいって全然逢ってくれないじゃない。
もう一ヶ月も逢ってないんだよ」


「悪い、マジで仕事が忙しくて。
落ち着いたら連絡するから」

と電話で話しているのは、一也と彼女の水野晴海。


「いっつもそう言って、全然連絡くれないじゃない」


「俺、今仕事中だから切るぞ」


一也はそう言って一方的に電話を切った。


「もう、何でいっつもこうなのよ」


晴海は携帯電話を握り締め、怒りに震えていた。