一馬は志穂を抱きしめて言った。
「ありがとな、志穂。俺のこと考えてくれて。
でも、大丈夫、部屋を借りてもちゃんと金は貯められる。
志穂が俺に手料理を作ってくれればな」
志穂は一馬の優しさに言葉が出なかった。
「志穂、我慢しなくていいぞ。
志穂は俺に逢えなくて寂しかったって言ったよな。俺も寂しかったんだ。
だから、俺のためにも、志穂と居る時間を増やしたい。
志穂がそばに居てくれたら、俺仕事頑張れるんだ。志穂が俺に力をくれるんだ。
いつも、こうして志穂を抱きしめていたいんだ」
『一馬さん…、ありがとう、凄く嬉しいよ。
この半年、一馬さんの心は私から離れてしまったんじゃないかって不安で不安でたまらなくて…、辛くて、苦しかった…』