懐かしさとこの半年の一馬への想いが込み上げ、涙が流れる。
この半年、自分がどれだけ一馬を求め続けて来たのか。
今日一馬に逢って、ハッキリ分かった。
今までたくさんの恋をしてきたし、何人もの人と付き合っても来た。
でも、こんな風に相手を求め続けたことなどなかった…。
二十一歳の志穂はこう確信した。
『一馬を愛している』と…。
部屋を出た一馬は、すぐに志穂の店に行き張り紙を張り、
その後、買い物ではなくある場所に向かった。
「こんにちは、この間の物件の件で来ました」
一馬がやって来たのは不動産屋だった。
「土屋様、いらっしゃいませ。
先日の物件、ご検討頂けましたか」