一馬は志穂の氷枕を取替え、冷たいタオルをおでこにのせる。


「俺は買い物に行って来るよ。志穂、食べたいものあるか」


志穂は微笑んでこう言った。


『クリームが乗ったプリンが食べたい』


一馬はニッコリ笑った。


「分かった、じゃプリン買って来るよ。
ついでに、志穂の店に臨時休業の張り紙してくるから安心して寝てろ」


『うん、分かった。
ちゃんと寝てるから、早く帰って来てね』


志穂は一馬に手を振り、一馬は部屋を出て行った。


一馬の部屋に一人になった志穂は、半年前の一馬と結ばれた日のことを思い出していた。


『この部屋に来たのはあの日以来…。
あの日、一馬さんは私を好きだと言ってくれた』