一馬は何度も志穂に謝っていた。


一馬は志穂の手を握り、ずっと志穂のそばにいた。


すると…、志穂がこんなうわごとを言った。


『一也…、ごめんね…、ごめんね…』


そう言って、志穂は涙を流していた。


「志穂…、一也に隠してるのが辛いんだよな…。俺も辛いんだ…。
俺達が別れれば、この苦しみからは解放されることは分かってるんだ。
でもな、俺は志穂のことが本気で好きなんだ。
別れるなんて出来ないんだ。
寂しい思いさせて、苦しませて、俺に出逢っちまったばっかりに…。
ごめんな、志穂」


志穂の寝顔に、一馬は呟いていた。


志穂に逢えない時間は、一馬も同じ寂しく、辛い日々…。


志穂の寝顔を見ながら、一馬はあることを決心した。