朝方、一馬が仕事から帰って来ると…。
「志穂っ!おいっ!志穂っ!」
部屋の前に志穂は倒れていた。
一馬は慌てて志穂を抱き起こすと、志穂は苦しそうに息をしているので、
おでこを触ってみる。
「スゲー熱じゃねーかよ」
志穂を抱き上げ、急いで部屋の中に入り、ベッドに寝かせる。
体温計で熱を測ると、三十九度もあった。
アイスノンで頭を冷やし、おでこには冷やしたタオルをのせる。
「いつから部屋の前に居たんだよ。
この真冬に外に居たら、死んじまうだろうが」
苦しそうに眠っている志穂の顔を見ていると、目頭が熱くなってくる。
「俺のせいだよな…。
仕事が忙しくて、志穂に逢う時間作れなかった俺のせいだよな。ごめんな」