店に一人残った一也は…。


「何で話してくれねーんだよ…。
俺と志穂はダチじゃねーのかよ…。
嫌…、ダチじゃねーけどよ…」


と一人で呑んでいる一也の元にやって来たのは、
この店で働いている友達の”佐野隆”だった。


「荒れてるなぁー、青年。
片想いの相手に振られちまったか」


「うるせーな、誰が振られたんだよ」


佐野隆とは、中学の時からの付き合いで、高校は別になったが、
高校卒業後、佐野が親の経営するこの店で働き始めてから、
一也はよく呑みに来る様になった。


「あの子、お前の手に負える女じゃねーんじゃねーか。苦労するぞ」


佐野の言葉に絡む一也。


「うるせーなっ、お前に志穂の何が分かるってんだよ」