この半年、志穂の様子がおかしいことに、一也は気づいていた。
志穂は明らかに情緒不安定。
夜中にいきなり電話をしてきて泣き出したり、一人で呑みに行って一也に迎えに来いと言ってみたり、今までにはなかったことだ。
さりげなく志穂に話を切り出すのだが、いつもはぐらかされてしまう。
だから、今日は決心して来た。
志穂に何があったのかを聞こうと。
「志穂、メシ付き合えよ。
俺、今日昼メシも食ってなくて、スゲー腹空いてんだ」
一也はいつもこんな理由をつけて、志穂との時間を作る。
『一也はいっつもメシだよね。
私なんて誘わないで、彼女と一緒に食べなよ』
「うるせーな、いいから付き合え」
と強引に志穂を付き合わせる。