嫌、初めて話をしたその時から、一也は志穂の事が好きになっていた。
だから、何かと理由をつけては、志穂に話しかけた結果なのだ。
あれから四年…、二人の距離は変わらない。
一也は志穂を忘れようとして、何人もの女性と付き合ってきたが、
心の中には志穂が居て、当然、上手くなどいく訳もなく、
相手に心の中を見透かされて別れを繰り返し、
そのたびに、志穂にはこんなジョーダンを言われる。
『一也って、ほんとはホモだったりして。
だから、彼女出来ても、上手くいかないんじゃないの』
一也にしては、かなりダメージの大きいジョークだ。
だが、本当の自分の気持ちを言う勇気は一也にはなく、
笑って返すしかないのだ。
情けない…、としか言えない…。
