志穂は昨日のお酒が残っていたせいか、やけに酔いが回るのが早かった。
『私さぁー、好きで不倫してたんじゃないんだよ。
知らなかったんだもん、指輪してなかったから。
付き合って三ヶ月も経ってから、実は結婚してますって言われて、
はいそうですか、別れましょうなんて言えないよ。
だって、好きなんだもん。
大人ってずるいよ…。
愛してるなんて言ったことなかったくせに、
別れる日に初めて愛してるなんて…。
それに、別れる時は離婚してたってどうゆうことよ。
それなのに、別れなくちゃいけないってどうゆうことなのよ』
居酒屋に入って、二時間もすると、志穂は酔っ払って絡み酒になっていた。