昨日のことで、パーティーの事はすっかり忘れていた。


『あっ…、忘れてた…』


「おい…、勘弁しろよな…」


と一也は呆れた顔をしていた。


『ごめん…、パーティーなんて気分じゃないわ…』


一也は志穂の頭を叩いた。


「お前なぁー、男と別れて落ち込んでたってしょーがねーだろう。
終わっちまったもんは、元にはもどんねー。
こうゆう時こそ、酒でも呑んで、パァーっとやるのがいんだよ。さっ、行くぞ」


一也はそう言って、志穂の腕を掴んだ。


『一也!痛いよっ!
こんな日に、お酒なんて呑んだら泣いちゃうよ…』


志穂がそう言うと、一也は手を離し、志穂の手を握った。