店で志穂と一也が並んで座っていた光景を…
志穂の様子がおかしいのは、きっと一也が原因なのだと一馬は直感していたのだ。
一馬は自分の中で静かに燃え上がって来ている”嫉妬”に苛立ちを感じると同時に、
志穂の中にいる一也の存在が少しずつ自分を変えて来ていることに気づき始めていた。
この一馬の勘がこの先とんでもない方向に向き始めることになる。
次の日、志穂の元に晴海がまたやって来た。
そう、この晴海は一也の彼女の晴海だ。
志穂は晴海が一也の彼女だということは知らない。
『晴海さん、いらっしゃい』
笑顔で晴海を迎える志穂。
「志穂さん、こんにちは。
近くで仕事だったから、また来ちゃいました」
晴海は可愛らしい笑顔で、挨拶をした。