「わかんない、一也の気持ちなんて。
分かりたくもない。私はずっと一也だけだったのに。早く帰って」


これ以上話をしても、平行線のままだと判断した一也は晴海の家を後にした。


「酷いことを言って悪かった。
また、話しよう」


一也が帰ったあと、晴海は狂った様に泣き叫んだ。


「どうして、どうしてなの。
私よりも気持ちを伝えられない女を選ぶって言うの!
私たちのこの一年は何だったのよ!」


晴海は一晩泣き続け、あることを決心した。


「一也がどんな女が好きなのか、この目で見てやろうじゃない。
このまま一也の好きになんてさせない」


そして、晴海は次の日、二人が付き合うきっかけになった友達に逢いに行った。