私にはこの時すでに、大切な人がいました…
でも、私はそんなことには気づかずに
曲がった道ばかりを進んでいた…
今日はとても暑い…。
気温は二十八度の夏日。
店のクーラーは古く、これだけの暑さになると、クーラーの働きはない…。
『どうでもいいけど暑いわ…。
オーナー、いい加減にクーラー買い換えてよ…』
とぼやいているのは、この店の唯一の従業員の木村志穂、二十歳。
アンティークショップと言っているが、そんな高級品はなく、要するに雑貨屋なのです。
この店のオーナーが海外で仕入れた物を売っているのだが、
何も考えずに買い物をするオーナーなので、商品に統一感が全くない。
服、アクセサリー、家具、食器、その他にも訳の分からないものがたくさん…。