それを見て美利も少しだけ顔を赤らめた。
その様子を見た智樹は恥ずかしさが増したのか立ち上がって木の幹の裏側へと移動する。
「鈍感くー!」
さっきよりも大きく叫ぶ。
「なんだよ鈍感鈍感って。流石に最近は自覚してるよっ」
そう言ってごまかすように笑っていると智樹が『あっ』と声を上げた。
「何?」
「穴発見」
ちょっとこっちに来いと言って美利を呼ぶと、木の幹がねじれて出来上がった穴のような部分を見せる。
「ここばっちりだと思わない?」
「ばっちりって何に?」
「手紙を入れるのにだよ」
そう言って智樹は元の場所に戻りカバンを持ちあげる