「朝ごみ箱の前に居たよな…まさか捨てたりしてないよな」
 竜が心配そうに声を掛けている。

 ガタガタと音がした後で『ここに張り付いてるのそうじゃないか?』とはっきりとした竜の声が聞こえた。

「くー、ちょっと」

 智樹のかなり低い声が聞こえてくる。

 少し怖い。

 自分の行動や言動を思い返しながら後ろを振り向いた。


――…っ!


 明らかに怒りをあらわにしているその表情に、一瞬寒気すら覚えた。

 あの手紙は智樹からのものだったのではないか。

 考えてみたら智樹の字だった気がする。

「な、何…」

 恐々と返事をする。

「ちょっと来いよ」


 恐怖心にあおられながらも教室から顔を出す智樹の元へと歩いていく。