「あー、嫌だ嫌だ。
毎日毎日学校に来たら勉強漬け!」
そう言いながら少し離れた自分の席へ戻っていき、髪の毛をくしゃくしゃとかき回している。
「学校だからな。体育の時間にでも発散して楽しい授業を満喫してくれ」
美利の後ろの席にいる和巳が面倒くさそうに対応している。
「俺、体育は好きだけど勉強はしたくない」
そう言う竜に、
「嫌なら学校に来なければいいだろ」
と呆れる和巳。
『それもそうだけど…』と考え込む竜にため息しか出ない美利と和巳。
「駄目だ、学校に来なかったらくぅに会えない」
真剣に悩んでいる風な竜に対して『それは一理ある』と笑いながら納得する和巳。
いい加減にしてくれと思う美利を横目に二人の会話は続く。
「竜、くぅに会えないけど勉強しなくてもいいのと、くぅに会えるけど勉強しないといけないのとどっちを選ぶ?」
「なんだそりゃ」
美利が呆れて口を挟んだ。
「んー……すげー悩む!」
大げさに困った表情をした竜を見て美利と和巳が笑う。